
保険・不動産・介護…終活と相性の良い提案ジャンルまとめ
なぜ「終活×営業」は今注目されているのか?
人生100年時代と言われる今、50代〜70代のシニア層を中心に、「終活」に対する関心が年々高まっています。
「もしもの時に備えたい」「家族に迷惑をかけたくない」「今のうちに気持ちを整理しておきたい」といった想いが、“潜在的なニーズ”から“顕在的な行動”へと変わりつつあるのです。
こうした流れを受けて、保険・不動産・介護・葬儀・金融など、さまざまな業界で「終活」を切り口とした営業活動が活発化しています。
従来のように「サービス単体を売る」のではなく、「人生全体を整えるお手伝いをする」という文脈が、信頼感や納得感につながりやすいのです。
また、終活は本質的に“人生の選択”に関わるテーマであり、深いコミュニケーションが求められる提案分野でもあります。
表面的な営業ではなく、「この人に相談して良かった」と思われる関係構築が重要となるため、顧客との“絆”を築きやすいことも大きな特徴です。
これからの営業には、「売る力」だけでなく「寄り添う力」が求められます。
終活はまさにその実践フィールドであり、信頼される営業スタイルへの進化を後押しするきっかけとなるのです。
終活と相性の良い提案ジャンル10選
終活は「相続」「お墓」だけではありません。
むしろ、さまざまな業種・サービスが人生の“整え直し”という観点で強く結びついていることが分かっています。
ここでは、終活と特に相性の良い提案ジャンルを10個、実務視点で解説します。
① 保険(生命・医療・葬儀費用)
終活を始める動機として、「万が一に備える」意識は非常に強く、保険商品との親和性は抜群です。
特に、医療・介護・死亡保障をカバーする商品や、葬儀費用の確保目的での少額終身保険などは、ヒアリングの流れから自然に提案できます。
「家族に金銭的な負担をかけたくない」という本音に寄り添ったアプローチが有効です。
② 不動産(住まいの整理・空き家活用)
「今の家をどうするか」は、終活の中でも最も多く話題に上がるテーマの一つです。
売却・賃貸・リフォーム・住み替え・相続登記…不動産のライフサイクルは、まさに終活と密接にリンクしています。
また、相続対策としての「名義整理」や「共有持分の解消」など、士業との連携が必要なケースも多く、不動産営業は終活提案のハブになりやすい領域です。
③ 介護サービス(施設紹介・見守り支援)
元気なうちに終活を始めたいという方でも、やはり介護の不安は大きな動機となっています。
「将来もしもの時は施設に入るか、家で過ごすか」
「そのとき誰に何を頼めるか」
こうした話題に自然につながるのが、介護サービスの提案です。
見守りセンサー、訪問介護、サービス付き高齢者向け住宅など、安心を提供するラインナップを揃えることで、終活相談に対応しやすくなります。
④ 遺言・相続支援(士業・信託サービス)
「争族」は避けたい――そう考える方にとって、遺言・相続支援の提案は終活の核心に位置します。
司法書士・行政書士・税理士と連携した提案や、最近では「家族信託」を活用した柔軟な資産管理ニーズも高まっています。
営業担当者としては、「制度を売る」のではなく、家族関係や資産状況を丁寧に聴いたうえで適切な導線を作る役割が求められます。
⑤ お墓・供養・葬儀(終活の定番)
終活といえば「お墓」「葬儀」といったイメージを持つ方も多く、提案タイミングが非常に重要なジャンルです。
形式を整えるだけでなく、「どう送りたいか」「誰に伝えておきたいか」という想いに触れることが、提案成功のポイントになります。
永代供養・樹木葬・直葬・オンライン葬など、多様なニーズに応じた提案バリエーションを持っておくと信頼性が高まります。
⑥ エンディングノート関連(作成サポート・アプリ)
「エンディングノートを書いてみたいけど、どう始めれば…」
そんな声に応えられるのが、作成サポートサービスやテンプレート付き商品です。
手書きノートだけでなく、アプリやクラウド保存型サービスの活用も広がっており、非対面・継続提案型の商材として営業にも相性が良い分野です。
営業トークとしては、「ご自身の想いを“カタチ”にして残してみませんか?」という切り口が効果的です。
⑦ デジタル終活(SNS削除・データ管理)
スマートフォンやSNSが当たり前になった現代では、「デジタル終活」も注目ジャンルのひとつです。
LINE・Facebook・Googleなどのアカウント整理、写真や連絡先、契約中のネットサービスの解約方法など、デジタルの“あと始末”をサポートできる提案にニーズが集まっています。
専門的に見えますが、デジタル整理を扱う外部サービスと提携することで、営業導線に組み込みやすくなります。
⑧ 老後資金設計(FP相談・資産管理)
「老後、資金は足りるだろうか」
この漠然とした不安は、多くの高齢者に共通しています。
年金、退職金、生活費、医療費などを踏まえたライフプラン設計や資金シミュレーションは、終活提案の中でも特に価値の高いアプローチです。
保険代理店やFPとの連携、資産運用とのクロスセルなど、専門性を活かした複合提案が可能です。
⑨ 見守り・IoT機器(遠隔支援・安全確保)
「ひとり暮らしの親が心配」「遠方に住んでいて様子が見えない」
そんな声に応えるのが、見守りセンサーや高齢者向けIoTデバイスの提案です。
位置情報・緊急通報・温度感知など、技術と終活が融合した領域であり、安心の可視化を求める現代的ニーズにマッチします。
営業現場では、介護保険外サービスとのセット提案や、月額モデルでの収益化も可能です。
⑩ 趣味・学び・自己実現支援(前向き終活)
終活=暗いテーマと思われがちですが、実際には「これからの人生をどう楽しむか」と捉えている方も多数います。
終活セミナー、趣味講座、旅行・創作・終活写真など、前向きな提案ジャンルも大きな可能性を秘めています。
営業としては、「学び直し」「表現」「振り返り」などのテーマを通して、人生後半の自己実現に寄り添う提案を意識することで、従来とは違った顧客層にもアプローチできます。
営業提案で終活文脈を活かす3つのポイント
終活と相性の良いジャンルを理解しても、ただ商品を並べるだけではお客様の心には届きません。
ここでは、終活を“売り込む”のではなく、“自然に提案に組み込む”ための実践ポイントを3つご紹介します。
ニーズを探る「きっかけトーク」の設計
終活という言葉をストレートに出すと、相手が身構えてしまうこともあります。
まずは日常会話の中から、「今の家、どうするか考えてる?」「ご家族と、万が一の話ってされたことありますか?」といった、自然な導入口=きっかけトークを設計しておくことが重要です。
特に高齢者は、「あちらから話を切り出してくれた」と感じるより、「自分が話し始めた」と思える流れのほうが安心します。
“困りごとベース”より“希望ベース”の提案へ
終活というと「不安への対策」と捉えがちですが、最近は“こうしたい”という希望や願望に応える提案が重視されるようになっています。
たとえば、「孫に感謝を伝える映像を残したい」「夫婦の思い出をカタチにしたい」といった、前向きな終活も増えています。
営業現場でも、「備えるため」だけでなく「より良く生きるための終活」という視点で会話を広げると、信頼を得やすくなります。
複数サービスの“横連携”を意識する
終活ニーズは広範囲にわたるため、1社単独では提案が完結しないケースも多いのが現実です。
保険+不動産、介護+見守り機器、相続+士業など、複数領域を組み合わせて提案できる体制を整えることで、より深く長く関係を築けます。
また、信頼できる連携先を持つことで「何かあったら相談できる人」という評価につながり、紹介や顧客の“囲い込み”にもつながります。
まとめ|終活提案が営業の新しい切り口になる
終活というテーマは、かつては葬儀や相続といった限られた分野だけの話とされてきました。
しかし現在では、保険・不動産・介護・趣味・見守りサービスに至るまで、人生のあらゆる場面と接続する営業の切り口として注目されています。
営業担当者にとっての終活提案は、“売る”よりも“寄り添う”営業への転換点とも言えるでしょう。
お客様の将来に共に向き合い、家族や人生の話に触れながら、長期的な信頼関係を築ける――それが終活を扱う営業の最大の魅力です。
単なる一時的な契約ではなく、人生に関わるパートナーとしての営業を目指すのであれば、終活という視点は非常に有効な切り口です。
ぜひ、自社のサービスと終活の接点を見つけてみてください。
その先には、お客様の「安心」と、自社の「新しい収益機会」の両方が広がっているはずです。
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